2011年5月21日土曜日

バズマーケティングとリスティング広告のシナジー効?

現在、多くの日本企業が中国進出を図り、その大半は、バナー広告の出稿や SEO 対策、リスティング広告などのプロモーションを行っている。もちろん、バナー広告などの Web プロモーションも重要だが、中国におけるプロモーションとして、もう一つ重要な手法が存在する。それは、バズマーケティングである。

バズマーケティングとは、いわゆる口コミを活用したマーケティング手法のことである。なぜバズマーケティングが中国において重要なのか? それは、中国人の購買における決定要素に口コミ情報を重要視する傾向が強く見られるためである。

インターネットの普及は、従来の消費者行動論に大きな変化をもたらした。「AIDMA」のうち、D-Desire(欲求?購買欲)と M-Memory(記憶?保留)が省略され、S-Search(検索)と S-Share(共有)が新たに加わり、「AISAS」という理論が生まれた。

しかし、中国では購買する前に、さらに、一度、他人の口コミ情報を参考して決定する特徴がある。つまり、次のような行動パターンだ。「認知する→興味をもつ→検索する→口コミで情報収集→購買決定→情報をシェアする)」

日本においても近年、Twitter を利用したプロモーションが増えてきているが、中国においては、従来から、口コミ情報を有効活用したプロモーションが、その成否を決定付ける不可欠な要素となっている。

DCCI(DCCIインターネットデータセンター)が発表したネットユーザーの媒体、チャンネル接触回数調査を見ると、ユーザーが一番接触しているのはインターネット(83.9%)、その次は口コミ情報(77.3%)となっている。また、ユーザーが使用しているネットコンテンツの中、SNS などのコンテンツ利用は63.1%を占めている。



つまり、バズマーケティングを行う企業側のメリットとしては、企業の認知度を高めると共に、ユーザーの購買欲を高める効果もある。例えば、明治乳業の粉ミルクに関して、中国における宣伝、販促活動は行っていないが、インターネット上の口コミで爆発的な反響を巻き起こした。その効果により、同メーカーの粉ミルクを求め、わざわざ日本に買い付けに来る中国人が出るほどの売れ筋商品となった。

さらに、バズマーケティングとリスティング広告を同時に行うことで、その相乗効果が期待できる。

まず、バズマーケティングを行うことによって、ロングテールキーワードを発見することが出来る。日本企業の場合、特に現地で実際に良く使われるローカルな表現や単語などは翻訳でカバーすることは困難である。しかし、その表現や単語にこそ購買に至る重要な要素が隠されていることが多々ある。そのため、そのキーワードも含めて出稿することによって、よりコアなユーザーを獲得することができるのである。

また、自社の商品やサービスブランドをバズマーケティングの利用により、ユーザーに浸透させる手法も有効である。バズマーケティングで認知度を高めて、検索に誘導するといった効果的な手法である。

従って、海外で進出する際には、単純にキーワードを日本語に翻訳し、リスティング広告やバナー広告を出稿するだけでは効果は上がらない。その国ごとにある特徴的な購買行動やユーザーの特性を理解し、それぞれの国にあった手法で、プロモーションを行うことが効果的且つ重要である。

(執筆:アウンコンサルティング株式会社 マーケティンググループ)

記事提供:(((SEM-ch))) 検索エンジンマーケティング情報チャンネル

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引用元:arad rmt

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